実は昨年から 「 秋冬物の音楽 」 「 春物の音楽 」 と題したエントリーを書いて、秋口や春先の気分にあったテクノ系の音楽をいくつか紹介したい、と思っていたのですが、<
共謀罪>の情報を追うのに掛かりっきりになったりして時機を逸してきました。今日は、梅雨どきのダルイ気分に見合いそうな音楽を 「 思い立ったが吉日 」 で、思いつくままに書いてみたいと思います。
● Aim - Cold Water Music
まずは、アルバムの2曲目に収められている表題曲
Cold Water Music を紹介します。
曲中のリムショットの連打が雨音に聞こえる、という単純な理由もあるのですが、この曲は暖かくて湿っぽいです。寒さが足りない。ジャケには氷山と流氷をあしらったりしてますが、cold water と名乗ってるのも含めて、“ 暑いときに飲む清涼飲料 ” なのかな、という気がしてきます。
この
エントリーにも書きましたが、この曲のハッとさせられるカッコよさは最高です。アルバムとしては、ちょっとこなれていない所もありますが、「 余りアッパー過ぎるのは…。でも、ダウナーなのもちょっと 」 という天気の悪い日に、淡々と聞くことができる Chil Out 系 Abstract Hip Hop ( こんな言い方あるのかな? ) です。discog では Trip Hop になってますね。
● Moby - First Cool Hive
次は、「 Everything Is Wrong 」 の8曲目の
First Cool Hive を紹介します。
リバーブ処理の関係で、曲中ずっと雨が降っているように聞こえる、というのが主な推薦理由だったりするのですが、薄暗い雨の日の夕暮れ時に、ふと感じる孤独、感傷を、寂しく美しいメロディと、荒々しい、しかしとことん控えめなビートで表現しています。この控えめさが Moby ですね。

この曲を聴くだけなら、
ジェームス・ボンドのテーマ[Moby's Re-Version] や 「 ツイン・ピークス 」 に触発されてできたという
Go といった世界的ヒット曲も一緒に聞ける 「 I Like to Score
(私は点数稼ぎが好きです)」 を買ったほうが Moby初心者(?)にはいいような気もしますが、
First Cool Hive はやっぱり 「 Everything Is Wrong 」 を買って、次の
Into the Blue とセットで聞くのがいいでしょう。
Into the Blue は泣けます。メロディに泣けます。歌詞に泣けます。曲としてはアレですが、アルバム最終曲の
When It's Cold I'd Like to Die (寒いと死にたくなるの) をどこかに念頭に置いて聞くとさらに泣けます。しみじみ泣けて、だけど聞き終わった時に元気が出てくる、そんな曲です。
First Cool Hive でダウナーになって、次の
Into the Blue で戻ってくる、という関係でしょうか。
「 Everything Is Wrong 」 には他にも、超サワヤカ系アッパーダンストラック
Feeling So Real, Everytime You Touch Me, Bring Back My Happiness も収録されています。この三曲は本当に勢いがあって、まさに “ 新緑の季節 ” といった感じです。「 如何なものか 」 と思える曲もいくつかありますが、最近ではこのファーストアルバムが、Moby の最高傑作だと思うようになってきました。
● Aphex Twin - On
推薦理由は 「 雨の音が入っているから 」 です(^^; しかし、Aim は置いてないわ 「 51/13 Aphex Singles Collection 」 は置いてないわで、Amazonジャパンの品揃えは何なのでしょう。
ON その物
も無いし。
ON の魅力は色んなところで言われていますが、やはり、雨の中の滲んだ色彩に自分を溶かしてしまえる所が素晴らしいです。初めて耳にした時、心のそこから 「 テクノ好きでよかった 」 と思いましたよ。

「 51/13 Aphex Singles Collection 」 には他にも、
Pancake Lizard やら
Ventolin [Cylob Mix] やら
Icct Hedral [Philip Glass Orchestration] やらが入っているのでお薦めです。ただ、
Icct Hedral に限れば、「 I Care Because You Do 」 で原曲を聞いた方がいいでしょう。というか 「 I Care Because You Do 」 も 「 51/13 Aphex Singles Collection 」 に負けず、梅雨どきにぴったりのアルバムです。やはりこのあたりは、天気がへそ曲がりなイギリス出身のアーティストだからでしょうか。
因みに、「 I Care Because You Do 」 は、聞きやすさと彼らしさが上手くブレンドされていて、総合的に、大変バランスがとれたアルバムになっていると思います。Aphex Twin こと Richerd D. James が初めての人にお薦めです。ジャケ以外は。
● Aphex Twin - Selected Ambient Works II
ということでもう一発りちあと゛くん。これはどの曲ではなくて、アルバム全体を推薦します。
「 アンビエント 」 を名乗ってるだけあってアンビエントな楽曲群で占められてますが、決してビートレス、という訳でもなくて、例えば Disk1 Tr.8
Weathered Stone なんかでは、ゆるーくですが踊れます。一部では “
葬式音楽 ” としても有名だったりするせいか、その強烈な黄昏具合と頭のねじが外れていく感覚に恐怖を覚える方も居ると思いますが、「 I Care Because You Do 」 などを聞いて、りちあと゛音楽に好感を持てた人なら大丈夫。寧ろ後半部分に、聞きやすい曲が固まっていたりするので、何もしたくない雨の日には安心して、この曲をかけっぱなしにしてボーっとしましょう。
S.A.W.2 の個々の曲名はこちらの
サイトさんで。なお、
Hankie と
Stone In Focus は普及版には収録されていません。
● Juno Reactor - Jardin de Cecile
アルバム 「 Bible of Dreams 」 一曲目の
Jardin de Cecile がお薦め。この、何かが起こり始めている感じは、雨の日向けというか、台風の日向けですね。かなり格好良いトランスだと思います。
他の曲も良いのですが、ヤニ臭さ全開の
ラジャ・ラム
近辺とは別個の、何ともいえない粘っこさは気になります。あと黒地に銀文字のジャケだと思ったら、よく見るとダビデの星が浮かんでくるのも、嫌な人にはポイント低いです。まあ、
ファーストアルバム
のジャケが
ピラミッドだったり、大ヒット作 「
Beyond The Infinite
」 の内ジャケに
万物を見通す目があしらわれていたりと、こういう趣味は今に始まった事ではないのですが。
今日のBGM♪ Juno Reactor Kaguya Hime