Amazon.comに発注した
CDが今日、配送予定日より早く届いたので、喜んで開けてみると、二枚組なのにDISC"1がケースに入っていない。ケースもジャケも小奇麗で、ラップで包装されていたので、輸送中に破損したわけでも、どこかに落ちたのでない。最初から、一枚目のCDが入っていなかったのだ。
余りに予想外の事態に、最初は呆気にとられてしまって、やや時間がたった後に、落胆と怒りとがふつふつと湧いてきた。以前、AmazonUSにCDを発注した際、ケースが破損していたことがあったが、CD自体は顕著な問題が無かったこと、そもそも、そんなに思い入れがあるアーティストのアルバムではなかった(一枚だけだと送料が割高なため、他のとセットで注文した品)ことからそのままにしておいたが、こればっかりはクレームをつけなくてはいけない。
「すぐに訴訟や何かに発展しかねないため、米国内の顧客には気を遣うが、日本の消費者は何も言って来ないので、アメリカのユーザーから返品されてきた不良品を平気で送りつけている、という噂は本当だったのか?Jap だと舐められてはいけない。今後の取引にも、また他の日本人ユーザーに対しても悪影響がある。しかし、恐らく、国内で最も重要な種類のイベントに属する大統領選ですら
こんなことが起きる、スケールのデカイ国だ。空のケースを送りつけることなんか、日常茶飯事なのかも知れない…」などと心の中で醜い悪態をつきながら、Returns Center の英文に目を通す。ガイダンスの指示に従って再注文し、返信先の住所をプリントアウトした後、どうやって返送するか思案する。99円ショップで、内側にエアキャップのついたCD用の封筒を買ってくることをまず思いついたが、不良品を送りつけられ、その上さらに出費するのも馬鹿馬鹿しい。結局、ガイダンスにもあったように、送られてきた「and you're done.」なんて書いてあるへなへなのダンボールを、そのまま使うことに決めた。その後、一緒に送られてきた
CDをチェックしたりしてみたが、「メールを返信する」とガイダンスにあったのに、一向にメールが来ない。「こういう場合は、返品の品が届いてから初めて対応するのか?」と思いつつ、先の指示に従って納品書のコピーを添えて梱包し、郵便局へ自転車を漕いだ。
不慣れな国際郵便とあって、応対してくれたおばさんを右往左往させてしまった。それでも、料金体系その他を例を挙げて説明してくれたり、色々と丁寧な応対をしてもらって、満足して家に戻り、一応PCをつけてみると、なんと、来ないと思っていたアマゾンからメールが来ていた。その中の一文。
As the cost of return shipping is prohibitively expensive in this case, you do not need to return the original item.
おいおい、もうレキシントンまで送ってきちゃったよ。
メールの発信日時を見てみると『 Date: Mon, 21 Feb 2005 07:39:41 GMT 』つまり日本時間で15:39で、ちょうど梱包が終わって、家を出ようとしていた頃だ。僕はてっきり、注文した時と同様、まず自動返信で確認のメールが来る物と思っていたが、これは僕の勝手な思い込みだったようだ。Returns Center での手続きを終えてからちょうど30分で、一応“手書き”の返信が来たのは、迅速な対応と言わねばならない。加えて、本当に不良品だったかどうか確かめもせずに「送料高いから送らなくていいよ」と返品処理を受け付けてくれたのは、例え、単価が$17の商品に一々目くじらを立てていたのでは割に合わない、という合理的な計算があるにせよ、太っ腹な処置であることに変わりは無い。少なくとも現段階では、返品応対に限ればAmazonUS側に非は無い。あるのは、二回目の注文でケース破損、四回目の注文で空ケース、という、他に類を見ない不良品ヒット率の高さに頭が茹で上がってしまっていたとは言え、顔の見えないAmazonUSを全く信用することが出来なかった自分の醜さだけである。
メールの到着を待たずに発送してしまったことについて、後でAmazonUSから、「返送不要と連絡したのに送り返してきたのだから、その送料の$7は返金できない」と連絡が来たらどうしよう。僕はきっと「それはこちらの手落ちだから、送料の返金は無くて構わない」と返してやるだろう。これだと、また少し、「日本人は苦情を言わない、扱い易いターゲットだ」という風評を強くしてしまうだろうか。メールの到着が遅かったこと、ガイダンスに『返品不要の場合もあり』と一筆書いていなかったことなどを楯にすれば結構イケるかもしれないが、いかに、謙遜が必ずしも美徳ではなく、肩を叩かれればすぐさま「厚生年金は幾ら戻ってくるのか。いつ貰えるのか。手続きはどうするのか。全部教えてくれ。」と“条件闘争”に入るのが一般的な国で生まれた企業の担当者と言えども、この$7でゴネる客にはさすがに鼻白むのではないか。
今日のBGM♪ BT MERCURY & SOLACE