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家から出なくても世の中のことは分かる?(老子 第四十七章)
いつの間にか買っていて(Amazonの履歴を調べたら4年前だった) “本棚の肥やし” 化していた 『老子 (岩波文庫) 』 を先日発掘し、ちょろちょろと読み進めているのですが、その第47章に、こんな文言が。
不出戸、知天下。不闚牖、見天道。其出彌遠、其知彌少。
是以聖人、不行而知、不見而名、不爲而成。
「家から出ずに天下のことを知り、窓を窺わずに天道のことを見る。」 「遠くに出るほど、知ることは少なくなる。」 のだそうです。

パッと見たときは、引きこもり礼賛かと思っちゃいました。「インターネットさえあれば、何でも分かるんだ♪(悪い例:ネットde真実 (;^_^A )」 みたいな。さすがは老子、何千年も前から、情報化社会の到来を予知していたとは。

まあ 「隠居、隠遁生活などをして、何事も一歩離れた視点から見れば、物事を冷静に判断できる」 と私は解釈しましたが、『上海の風』 さんが恩師から聞いたという
知る努力をしなければたとえ遠くへ行っても知ることは少ない。
為政者はどこへ行かなくても何でも知っていなければならないし、ある物を見てなくてもそれについて明るくないといけないし、あることをやったことがなくてもそれができないといけない。
という話も、考えてみればもっともですね。いちいち、為政者が現場に出向かないと何も進まないのであれば、千葉の停電すら、いつまでも復旧しませんから。

しかし、我が国の会いに行ける蚊帳の外は 「何もせずに全てを成し遂げる」 の正反対の “余計なことをして全て台無し” ばっかりですが。消費税増税にしても、東京五輪にしても。ついでに、この度の台風災害への姿勢は棄民政策としか言いようがありませんし。

「上善水の如し」 とか、口で言うのは簡単ですが、老子一流の逆説というか、曖昧にして全てを包容しようとする、素朴で茫洋な考え方は、なかなか難しゅうございます。
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「市場占有率」は高収益を担保しない 三品和広(著)『市場首位の目指し方(経営戦略の実戦 3)』
市場首位の目指し方(経営戦略の実戦(3))


高収益を担保するのは「製品」でも「顧客」でも「市場占有率」でもない

「読み物としての楽しさ」という本筋から離れた観点からすれば、本書は、選りすぐりの成功ケース、失敗ケースが詰め込まれた宝箱の趣のあるシリーズ第1巻に敵わない。しかし「時流の助けを借りてシェアトップに躍り出ても、逆に鮮やかに撤退を完遂しても、そのこと自体は高収益を担保しない」という、考えてみれば当たり前の事実を突きつけてくる本書のケース群を、第1巻のパターンに照らし合わせて考えると、経営判断というものに極めて縁遠い私にとっても、感慨深いものがある。

本書のテーマは市場占有率、それも首位交代が起こった製品群に焦点を絞っている。大手の水平展開が専業を飲み込み、新興企業が大手の間隙を衝く。今日の有利が明日の足かせになり、かつての業界トップは、時にシェア争いを傍観し、時に追随し、時に撤退する。しかし、勝って利益率が下がる(負けるが勝ち)こともあれば、負けるが負けの事態も当然に発生し、本書の様相はまさに栄枯盛衰。しかし、シェア争いに勝っても負けても、盛者は盛者であり続けることも可能だ。その秘訣は本書の終章で考察される。
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単純に読み物として面白い 三品和広(著)『高収益事業の創り方(経営戦略の実戦 1)』
高収益事業の創り方(経営戦略の実戦(1))


久々に 「時間を忘れて、取りつかれたように貪り読む」 という体験をすることができました。

この本は 「経営幹部候補生に特化した知的武装シリーズ(『経営戦略の実戦』)の第1弾」 という、大企業の幹部候補生向けに書かれた、1冊9720円もする本です。

私は、“経営” とか “ビジネス” といったものにはとんと縁がなく、親戚を見渡してもビジネスをしている者が1人もいないという、筆者が想定している読者からは最も縁遠いであろうと思われる存在なのですが、たまたま、スマホをいじっている時にアマゾンの商品ページに流れ着いて、レビューから「面白そうだ」と感じ、値段には目をつぶって購入しました。そうしたら、予想以上に引き込まれてしまいました。
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能力高き御仁に、凡人の苦悩は分からない - 伊東乾氏の記事を拝読して
池内友次郎のお弟子で矢代秋雄さんのように東京音楽学校で学んだ人もいるけれど、三善晃さんは東大仏文卒、別宮貞雄さんは東大理学部物理学科で40年ほど先輩に当たり、僕の師匠・松村禎三は旧制三高(京都大学教養部)理科と学校は様々です。

 前回書いたカラヤンやバーンスタインのみならず、カルロス・クライバーも化学出身、日本に目を転じても朝比奈隆さんは京大法学部といった具合で、要するにどういう先生に学び、どういうキャリアを築いてき(ママ)、いまどういう音楽ができるの? という、実質本位の世界で、肩書きは二の次に過ぎません。

(※出典「JBPress 一流世界への道は良き師匠との出会いから始まる」)
初めて目にしたとき、ギャグか何かだと思ってしまった。確かに、音楽家にとって学歴は余り意味を成さないものなのだろうが、東大京大乱れ打ちで 「学歴なんて意味ないよ」 と言えちゃってることからも分かるように、筆者の伊東乾氏は東大院卒である。

日々の仕事の糧になる何かを探して、伊東氏の文章にたどり着いたのであるが、もう
「あなたは凄いお金持ちだから、そんなひどい服を着られるのです」
という 『チャーリーとの旅』 の一節が、私の頭の中にコダマするのみだ。(※原著からではなく、この本からの孫引用なのが恐縮である。)
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タグ: 格差社会
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『 窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人 』 にみる経営用語集 〔悪魔の事典風〕
窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人
窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人ジル・A・フレイザー 森岡 孝二

おすすめ平均
stars成果主義の正体見たり
stars日本の近未来というより現在の日本と言うべき!?
stars日本の現状を思い出させる
stars短期的な株主価値の増大のために搾取され
る知的労働者
stars死にそうなのはオレだけじゃないのか・・・
と慰められたかったら。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


文教系学生の僕にとって、「401K」 「CEO」 「ストックオプション」 などの用語は全く縁遠い存在だったが、その意味を生々しく教えてくれたのが、この 『 窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人 』 という本である。成果主義や派遣社員の導入など、労働条件が日々 “ アメリカナイズド ” されつつある今の日本に生きる者として、アメリカ流の「 柔軟な雇用事情 」 という物の実態が分かった事は大きな収穫だった。以下、この本で知った経営用語の意味を、独断と偏見で、 『悪魔の辞典』 を意識してまとめてみた。
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“空気が読めないヤツはバカ”
今日、新聞を読んでいて目に止まったのが、下の広告だ。スキャナーが無いため携帯のカメラで撮ったので、画質が悪いのは勘弁して欲しい。
atamagai.jpg(17220 byte)
(※クリックすると、角川書店の「文脈力」のサイトに飛びます。)

まだこの本を読んではいないので、詳しいことは分からないが、この広告によると「空気が読める=頭がいい」のだそうだ。つまり、ガキの頃から『空気が読めない』と言われ続けてきた僕は大バカということになる。

自分が今まで“空気が読める”ヤツらから散々にしてやられてきた、という思いがあるからかも知れないが、本当に場の空気を掴むのが上手い人の言うことは、往々にして考えが浅く、陳腐で、聞いていて退屈である。誰でも思いつくような事というのは、陳腐であるが故に容易に共感されるが、その“伝わりやすい”“共感されやすい”という所が、この先生にとっては“「文脈力」がある”即ち“頭がいい”ということなのであろうか。

例えば Isaac Newton は『万有引力の法則』を発見した後、二十年間も発表しなかった。また彼は『流率法』という計算方式を1665年の夏ごろに編み出したが、やはりすぐには発表しなかったため、Gottfried Wilhelm Leibniz から「お前、俺が見つけた『微積分』をパクっただろ!」といちゃもんをつけられブチ切れたりしている。独りで居るのが大好きなこんな彼が、空気が読めるヤツだったとはとても思えない。

また、『万有引力の法則』を一部訂正した(という理解で合ってるか自信が無いが)『特殊相対性理論』『一般相対性理論』を構築した Albert Einstein は、「自分自身の中へ閉じこもりたいという欲求は、年と共に深まるばかりだった」なんて言ってるし、「灯台守の仕事こそ、科学者にとって理想の環境」だと本気で信じていたくさいし、自分のことを「孤独な変わり者」と呼んでいた。やはり、場の空気を読むのが上手いヤツだったとは思えない。

斎藤先生にとっては、物理学なんて頭がおかしい人間のする学問なのかも知れないが、何れにせよ、僕はまだこの本を読んでいないので、以上の文章は全く無意味である。

今日のBGM♪ μ-ziq Zombies
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“永遠の 青春の書! ”
最近、「三太郎の日記」という本を読み始めた。ちゃんと理解して読んでいるわけではないが、例えば、『先人の用語はただ俺に都合のよい内容を盛るための容れ物にすぎない』とかいう青臭さに大いに感情移入しつつ、『中毒である。Suchtである。』とかいう文に「ドイツ語使えはいいってモンでもないだろ!」と突っ込みを入れつつ、まあ、適当に読み進めている。

(個人的には、『sick』と言われるとまずイエモンを連想してしまう。まあ、『Sickness』じゃ『病的な嗜癖』というニュアンスは出ないからダメか。しかし、この『反省も批評も自覚もすべて病である。中毒である。Suchtである』という一節もなかなかいいな。)

この本は、中学に入った当初、父から与えられた物だ。父は「お前も、そろそろこういう本を読むべき年頃だろう」と言っていたが、ついこの前まで給食で「い・た・だ・き・ます!」とか言っていたガキには無理だった。

この「合本 三太郎の日記」、物々しい言葉遣いの割に中身は素直なのだが、いかんせん、文章が堅っ苦しくて、引っかかり、引っかかり読むしかない。これが戦前の“格調ある”文章、というものなのだろうか。『古語は、時間という空間で隔てられた外国語』とはよく言ったものだ。以前「大江健三郎の文章は僕にとって古典だ」と言って笑われたことがあるが、この日記、書かれてから100年も経っていないのに、もう“言葉の壁”を感じてしまう。

100年くらいだったらまだいいが、日本人の心などと言わたりする平安文学に至ってはもうお手上げだ。悲しいかな、同じ外国語なら紫式部よりも James Joyce の方がまだずっと分かる。千年という時空の壁は大きい。いや、貧しい農家の子孫である僕には、良家の子女らが紡いだ文章は元来、遠い存在なのかもしれない。

しかし、この「三太郎の日記」、Amazonですら売ってないのには驚いた。もちろん、紀伊国屋ジュンク堂にも無い。ネット上で新刊が手に入らないだけで、古本屋か何処かにはまだ在庫があるだろうが、色あせた表紙に書いてある『永遠の 青春の書』というコピーが、今、僕の手の中で、居心地悪そうにしている。

確かウチの母は「村上春樹の小説は“青春”の喪失を詠っている」とか何とか言っていた。“青春”という言葉が何を指すかは分からないが、かつて、「大人」と「子ども」の間に存在したらしい“青春時代”というものが、経済的理由か何かで、ハルキ世代の人間にはもう無くなっていた、のだそうだ。そんなハルキ本を片手に産み落とされ、育てられた僕の世代というのは、いったい、どんな時代なのかと思う。
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