ほぼ一年ぶりに、左上の親知らずが痛み出した。以前は 『ちょっと痛いかな、くらいに思っているうちに、何時の間にかなんともなくなっていた』 というパターンだったが、今回は、食事の際、食べ物が当たると鋭い痛みが走る。思わず箸を置いて、両手で顎を抑えてしまう。夜眠れない、というほどではないが、とても食事にならないので、10年以上ご無沙汰だった歯医者に駆け込んだ。
「今週、来週とも予約で一杯」との受付嬢の言葉にビビらされたが、待ち時間が長くなる、と言われた割には、30分と待たずに診察を受けることが出来た。レントゲンを取られ、しばし待った後、(おそらく)院長先生の「あ~、こりゃ痛いねぇ。」の声。下の親知らずが顔を出していないため、上の歯が下の歯茎に食い込んで傷をつけ、そこ一面が炎症を起こしているらしい。「ちょっと触っただけで痛いでしょ」言うより早く、先の曲がった診察器具の棒で患部を刺激する院長。口を大開きし、鏡を突っ込まれたままなので受け答えできないが、この日の診察で一番痛い瞬間だった。院長先生の、白髪が混じった睫毛と共にある目は、僕の涙目を捕らえない。院長先生にしてみれば、何ヶ所か場所を変え、ちょっと触っただけなのであろうが、その数秒が本当に長く感じた。
抜歯以外にも、色々な対処法があると説明を受けたが、再発を防ぐ上では抜歯が一番確実らしいのと、親知らずそのものが虫歯に侵されている(それも広範囲に)というのが決め手となって、僕は抜歯をお願いすることにした。これくらいの腫れなら、すぐに出来る、ということで、麻酔を打ってもらい、抜歯が始まった。痛みは感じなかったが、「ごりごりっ」という嫌な音が過ぎてからも、処置が中々終わらない。ベテランから老練の域へ駒を進めつつある院長先生が、心なしか、焦ってらっしゃるように見える。「もう抜けている筈なんだが…」の声が漏れた後、ようやく歯が抜けた。「レントゲンに映らない角度で根がしっかりしていた。大きく立派な歯。よくあの場所に生えていた。」とは院長先生の評。ついでに「夜は10分15分、歯を磨け」とも言われた。
今日、二回目の通院をして、抜歯跡を消毒してもらった。カサブタが唾液で溶けるので、二、三日、鉄のような味がするだろうが、血は止まっていると聞いて一安心。ただ、他の親知らずがいずれ問題を起こすだろう事、“まだお若いのに”歯垢がかなり気合の入った付き方をしていて、完全に綺麗にするには十数回の通院(!)が必要なこと、そして、奥歯に虫歯が見つかった事を指摘された。とりあえず、虫歯治療の予約を入れてきたが、今後どうするか、今、ちょっと悩んでいる。
抜いた歯の画像※見たい人だけ見てください(^^;
参考リンク
今日のBGM♪ LFO Blown