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自民党<共謀罪>今国会での成立を断念 | main | 朝日新聞、「天声人語」で“検閲”話
河北新報「<共謀罪>は密告奨励」と報道
(※<共謀罪>に関する最新エントリーはこちら


以下、河北新報 社説より引用(一部、任意に強調した)。
「共謀罪」審議入り/決して容認できない内容だ
 犯罪の実行行為が何もなくとも合意だけで処罰できるようになる「共謀罪」の審議が、衆院法務委員会で始まった。「国際組織犯罪の未然防止」を名目にした法整備だが、一般市民の生活や人権を脅かしかねない極めて問題の多い法案であり、絶対に成立させるべきではない。

 共謀罪はテロや麻薬をめぐる国際組織犯罪の防止を目指した条約に従い、国内法を整備するために導入が検討されてきた。米、英の両国などが各国に立法化を働き掛けたいきさつがあるという。
 組織犯罪処罰法改正案に盛り込まれ、犯罪を実行する前の共謀段階で処罰できる。対象になるのは懲役4年以上の犯罪。殺人や傷害、詐欺といった刑法犯だけでなく、さまざまな法律に規定された犯罪行為が含まれるため合計では600を超える。

 消費税法や職業安定法、酒税法といった国際犯罪とは到底関係のない法律まで含まれ、前提となった条約の目的をはるかに逸脱している。
 共謀だけで罰しようとすること自体が、そもそも重大な問題をはらんでいる。
 犯罪は本来、結果があってこそ処罰されるのが大原則。現在の刑法では「共謀共同正犯」という考えによって、犯罪行為を合意(共謀)した者は仮に実行にかかわらなくとも刑事責任を問われることがある。だが、それも殺人などの結果があっての話だ。

 共謀罪が導入されれば、例えば何の実行行為も伴わず結果的に犯罪が起きなくとも、誰かと話し合っただけで処罰可能になってしまう。
 一体、どんな組織や団体の行為が共謀罪の対象になるのかもあいまいだ。法務省は想定されるケースとして暴力団や振り込め詐欺グループ、テロ組織を指摘しているが、提出された法案では「団体の活動」「犯罪行為を実行するための組織」としかなく、適用しようとすればいくらでも範囲を広げられる危険性が伴う。

 「犯行現場」がない犯罪を摘発しようとするわけだから、警察の捜査手法も当然、変わるだろう。電話やメールなどの通信記録の閲覧や共犯者の情報提供に頼ることになると予想される。法案には、実行行為に入る前に自首した者は刑を免除したり軽くする規定も設けられ、いわば密告を奨励している
 共謀罪は運用次第で、特定組織の弾圧や個人の思想を処罰するという治安立法の復活になる恐れがあるし、世の中が監視社会に向かう危うさを抱えている。過去2度も廃案になったのは、あまりに危険な内容に対して強い反発があるからだ。

 与党内では今回、適用する組織を明確化したり、準備行為も要件にするなど法案を修正する動きもあるという。国際テロ防止の法整備は必要だとしても、共謀罪ではない別の手だてを考えるべきだ。
 言うまでもなく与党は数で押し切ってはならないし、野党も十分に慎重な審議を行わなければならない。いったん立法化されれば取り返しがつかない

2005年10月15日土曜日
僕は以前、<共謀罪>は密告推奨、住民相互監視法 というエントリーを書いたが、見解を同じくする意見が新聞紙面に載ったことは嬉しく思う。そればかりでなく、この河北新報の社説には、<共謀罪>の問題点とその背景が、包括的に纏められている。<共謀罪>に関心がある方にもない方にも、何度も、この記事を読み返してもらいたい。
また、河北新報以外でも、「共謀罪」創設にまたもや黄信号、与党からも修正論10月16日付・読売社説(2) [『共謀罪』法案]「早期成立へ必要な修正を急げ」といった記事(両方とも、追記部分に全文引用)が報ぜられている。一昨日、鳥取県の人権救済条例には反響多数も、<共謀罪>にはマスコミ冷ややか というエントリーを書いたが、ようやく、<共謀罪>を巡る今国会での動きが、報ぜられるようになってきたようだ。これを機に世間の関心が高まり、最低でも

  • 単なる共謀だけではなく、合意内容を推進するための具体的な行為を伴うことを「共謀罪」の要件に加える
  • 共謀罪の対象は組織犯罪集団に限定されることを法文上明確にする

の二点だけは修正すべき、という気運が高まることを期待したい。


なお、前出の10月16日付・読売社説(2) [『共謀罪』法案]「早期成立へ必要な修正を急げ」には
 日本弁護士連合会は、共謀罪は「思想を処罰することにつながる」と批判している。これは、誤解を広げ冷静な議論を妨げるものだ。犯罪の謀議と「思想」は全く別のことだ。
という記述があるが、これは事実誤認と言わざるを得ない。<共謀罪>は密告推奨、住民相互監視法 などに詳しく書いたが、この法案では幾らでも、密告と“自首”で<共謀罪>をでっち上げることができるため、気に入らないことを言う人間を逮捕させることができる。結果的に無罪になっても、今の日本の風潮では、一旦逮捕された者は「怪しい」「ヤバイ」とされ、社会的信用が“死んでしまう”、ので、実質的には言論統制・思想弾圧が可能なのだ。。(※参考:踊る新聞屋-。 共謀罪、無罪でも「目的」達成

法律の文言は中立に書かれるので、解釈の幅を残すような書き方では、いくら「こういう目的で制定します」という言質を取ったとしても、後の為政者の恣意的解釈・拡大解釈を止めることは出来ない。河北新報社の言うとおり 『 いったん立法化されれば取り返しがつかない 』 のが、この<共謀罪>である。


※いいげるブログ内の<共謀罪>に関するエントリー

今日のBGM♪ i:cube la la la
 
 
以下、YOMIURI ONLINEより当該記事を引用。
「共謀罪」創設にまたもや黄信号、与党からも修正論

 犯罪の事前相談に加わっただけで罪となる「共謀罪」創設を柱とする組織犯罪処罰法などの改正案に、またもや黄信号がともっている。

 与党から修正論が出ているうえ、民主党も現時点で反対の構えを崩していないためだ。改正案は2003年、今年と過去2回廃案となり、今国会に改めて提出されたが、会期中に修正、成立にこぎつけられるか、微妙な情勢だ。

 改正案は、テロや暴力団・マフィアなどによる組織犯罪に対する国際的な協力関係を構築する「国際組織犯罪防止条約」の批准に必要な国内法を整備する法案。共謀罪は、条約の参加国に対し、批准条件として創設が義務づけられている犯罪の一つだ。

 今国会では、衆院法務委員会での審議は14日に始まり、与党による質疑が行われた。次回の野党の質疑日程は未定。残る約2週間の会期中、衆院審議を終え、参院に送付されても十分な審議時間を確保できない可能性がある。

 議論が進まない背景には、共謀罪創設について、犯罪集団の定義がはっきりしないという意見が出ていることがある。自民、公明両党からも「対象となる犯罪集団の定義を明確にした方がよい」「何らかの準備行為を犯罪の構成要件に加えるべきだ」などの声が上がっている。

 民主党は法案への対処方針を最終的に決めていないが、これまでの法務部門会議では、〈1〉国際組織犯罪防止条約ができるまでの諸外国との交渉過程が明らかでない〈2〉現行の国内法で条約の基本的な要請に応えられる――などの考え方を確認した。

 民主党の平岡秀夫衆院法務委員会理事は「もし(現行法で)不足があるのなら、国内法の基本原則に従って政府案を出し直すべきだ」と、現法案の廃案を求める構えだ。

 このため、与党内でも、修正論議を急いでも今国会成立は難しいとの見方が強まっている。

(2005年10月16日0時30分 読売新聞)
 
 
以下、YOMIURI ONLINEより当該記事を引用。
10月16日付・読売社説(2)

[『共謀罪』法案]「早期成立へ必要な修正を急げ」


 テログループや暴力団など組織的な犯罪集団を主な対象に、犯罪を謀議した計画段階で処罰できる「共謀罪」を創設する法案の国会審議が始まった。

 2000年の国連総会で、テロや暴力団、マフィアなどの組織犯罪の撲滅を目指す「国際組織犯罪防止条約」が採択された。日本は条約に署名し、国会で承認している。

 条約は参加国に、テロなどの未然防止に効果的な共謀罪を設けることを義務づけた。政府はすでに、共謀罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法の改正案を2度国会に提出したが、いずれも、衆院解散のため廃案となった。

 条約はフランスなど110の国・地域が批准し発効している。国内法の整備ができず、条約批准が遅れ続けるようではテロや麻薬密輸など組織犯罪に対する国際共闘の足並みを乱すことになる。

 民主、共産両党も、テロ対策の重要性から共謀罪の創設自体に反対してはいない。適用する組織の定義や適用範囲を、より明確化することを求めている。もっともな主張である。

 共謀罪の対象は現行刑法で死刑、無期または4年以上の懲役・禁固に当たる犯罪だ。共謀罪について改正案は「団体の活動として、犯罪を実行するための組織による遂行を共謀した者は懲役などに処する」と規定している。

 これでは、「団体」の定義や、共謀の「謀議」の構成要件が明確ではない。野党側が明確にするよう修正を求めている重要部分だ。

 法務省自身、「一般にはわかりにくいだろう」と国会審議で認めている。「団体」の中に労働組合や市民団体、会社などが含まれることはないか。解釈により適用範囲が広がりはしないか。危惧(きぐ)や不安が生まれるところだ。

 法務省はホームページで、共謀罪について、「組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の共謀行為に限り処罰する」とわかりやすく説明している。これに沿って、改正案を修正するべきだろう。

 共謀罪が成立するための「謀議」も、単なる合意だけでなく、何らかの具体的な犯罪準備行為なども構成要件とし、より明確にすべきではないか。

 日本弁護士連合会は、共謀罪は「思想を処罰することにつながる」と批判している。これは、誤解を広げ冷静な議論を妨げるものだ。犯罪の謀議と「思想」は全く別のことだ。

 改正法案の主な目的は国際的な「テロとの戦い」に連携できる法整備だ。与野党は、この原点に立って、修正協議を進め、早期成立を図ってもらいたい。

(2005年10月16日1時39分 読売新聞)
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| 【検閲】共謀罪 | 23:59 | Permalink | トラックバック:0コメント:2



コメント
古い記事へのトラックバック失礼しました。
読売の社説。。。。
本当に最低ですね。
2006.05.11 Thu 22:09 | URL | fttv [ Edit ]
fttv さん初めまして
「 いいげるブログ 」 では現在、スパム対策として、当ブログへの言及リンクが含まれていないエントリーからのトラックバックを制限しています。あしからずご了承ください。

fttvさんのエントリー ( http://blog.goo.ne.jp/hol_my_ow/e/f235665e4f0e16967d3d1e622b33a3c0 ) を拝見しました。相変わらず、“ 有料の自民党広報誌 ” 読売新聞の暴走は止まっていないようですね。

読売その他の情報操作・世論誘導に騙されずに、<共謀罪>に反対していきましょう!
2006.05.12 Fri 14:55 | URL | いいげる [ Edit ]
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